埼玉県加須市を拠点に、水稲・小麦・大豆・ソバなどの穀物を約330haで栽培する Nakamori Agro Industry Inc.。関東圏でも有数の作付規模を誇る「メガファーム」でありながら、有機JASやJGAP認証にも取り組み、生産と経営の両面で挑戦を続けている農業法人だ。
従業員は24名ほどで、その約7割が農業未経験からのスタート。平均年齢は30歳前後と若手が中心で、「人の食を守り抜く」を合言葉に、全国から集まったメンバーがチームで大規模経営を支えている。圃場の大区画化やAIを活用したマネジメントなど、次世代の農業を見据えた取り組みにも力を入れている。
そんな中森農産では、2025年に FJD AT2 Auto Steer System を2台導入した。 今回は、加須営農所所長の 遠井広信さんに、その活用の手応えについて伺った。
「まっすぐ走る」が最初のハードル
若手・未経験者が多い中森農産にとって、まず壁になるのが「まっすぐ走る」ことだ。とくに播種作業では、後ろの作業機の状態を確認しながら、同時にトラクターを正確に走らせなければならない。
「一番効果を実感しているのは、やっぱり播種作業ですかね。ちゃんとタネが落ちているか、後ろを確認しながら操作する必要があるので。中森農産みたく、未経験者が農業者として頑張ろうってなった時に、最初につまずくステップだと思うんです。

そこを自動操舵なら機械的に直進してくれるので、その部分は気にしなくていいというか。ハンドルに気を配らずとも、後ろの作業の状況に集中して確認できるっていう意味で、すごく効果を感じてますね」
AT2は、直進の精度を上げるだけでなく、若手メンバーが最初にぶつかるハードルを下げる役割も果たしている。
「まっすぐ度合」によって、その後の作業が変わる
ダイズの播種後には、雑草処理のためにトラクターを入れ、カルチをかける作業が続く。ここでも、最初に「まっすぐ播けたかどうか」が、その後の管理作業や雑草抑制にも波及し、作物へのダメージ軽減や作業効率の向上につながっているという。
「例えばダイズなんですけど、播種後、雑草処理をするためにトラクターを畑に入れて、カルチ除草をします。この時に、播種がまっすぐに行われていないと、作物ごとカルチで引っ張って抜いちゃう、みたいな状況も出てきます。播種時の“まっすぐ度合い”によって、その後の操作の仕方がかなり変わってくるんです。自動操舵を使えば条がまっすぐになりますし、やっぱりきれいに行っていると全然違いますね。
それにダイズだと、ある程度生育した後に“群落の閉鎖”といって、葉っぱで地表を覆って雑草種子の発芽を抑制します。ダイズの株をカルチで引っかけて抜いちゃうと、そこだけぽっかり穴が開いちゃって、雑草が発生しちゃうんですよね。うちでは、まだまだこれから習熟していくメンバーが多いので、播種がまっすぐだと本当に助かります」

何度も入る圃場ほど、自動操舵のメリットが出る
中森農産では、水稲全体の面積の2割ほどで乾田直播を取り入れている。直播栽培では、雑草との競争に勝つための除草作業が重要だ。
「うちでは乗用管理機で除草するんですけど、条がまっすぐに揃っていれば乗用管理機のタイヤでイネを踏むリスクも減ってきますし、効果はあると思いますね」
同社では、ウィードマン(乗用の水田除草機)やハイクリトラクター、乗用管理機など複数の機械を使い分けながら、播種後に年に3~4回は田んぼに入るという。 直播・除草のように、同じ圃場に何度も出入りする作業体系ほど、最初の播種の精度が効いてくる。
若手が主役のメガファームにこそ、自動操舵を
AT2による高精度な直進は、作業をラクにするだけでなく、経験の浅いメンバーでも安心して播種や除草の作業を任せられる土台づくりにもつながっているようだ。
若手が多く、今後さらに規模を拡大していこうとする中森農産にとって、自動操舵は作業の省力化だけでなく、人を育てる道具の一つになっているようだ。

大規模な農場でも小規模な農場でも、FJDは the AT2 のようなさまざまなスマートツールを提供しています。製品に関する質問は、 FAG (FJD日本総代理店)にお気軽にお問い合わせいただくか、FJDynamicsに直接 contact FJDynamics ください。できるだけ早くご連絡いたします!