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日本 | 巻き尺とスプレーで引いていた線を、GPSに任せる

理事4戸とオペレーター1人という体制で、経営面積100haを超える稲・麦・大豆を回しながら、野菜の露地栽培も手掛ける。愛知県安城市の農事組合法人・和泉営農組合は、そんな少数精鋭の営農組合だ。


その和泉営農組合が導入したのが、FJD農機自動操舵システムだ。現在2台が稼働し、26年春には FJD AL02 RTK自動レベラーシステも1台導入している。 役員を務める木村友和さんに自動操舵システム導入の決め手を尋ねると、意外な答えが返ってきた。どうやら播種作業の直進性のためではないという。

「先に溝を掘っておきたかったんです。それが一番の理由です」


明渠の精度が基準になる

木村さんが言う「溝」とは、地表の排水を促すための明渠のことだ。アクスルプラウを使って数メートル間隔で掘る。麦は排水の良し悪しが生育を左右する作物で、この明渠の巡りが甘いと湿害につながる。 明渠は、播種の前に正確な間隔でまっすぐ掘っておく必要がある。播種したあとに掘ろうとすると、作物の上を機械が通ってしまうからだ。大きなトラクターほど、踏み荒らす面積も広がる。 「播種前ならスピードの出せる大型トラクターでガーッと掘っていける。播種してから掘るとなると、播種の跡を踏みすぎちゃうので」以前は巻き尺で測り、アスファルトにスプレーで印を付けて明渠の位置を決めていた。

  • 巻き尺による間隔測定
  • スプレーによる位置マーキング
  • 目視によるトラクター操作


測る人、見る人、トラクターに乗る人と、最低でも数人がかりの仕事だった。 「時間がかかるし、どうしてもちょっとずれる。こんなことはもうやめようと。自動操舵を買えば済む話だから、買ったんです」


実は、まっすぐ播種すること自体には自信があった。播種の直進性を上げるために自動操舵を入れたわけではない、というのが木村さんの説明だ。 自動操舵の価値は、むしろ播種より先に行う明渠施工の精度にあった。


10センチのズレが、大豆を倒す

大豆栽培では5連のカルチで中耕除草を行う。ここで効いてくるのが、まさに播種時の精度だ。 「10センチずれていると、カルチの爪が大豆に引っかかって倒しちゃうんですよ」 播種がまっすぐ正確であれば、その後の中耕除草でも恩恵を受けやすい。


大豆にはアサガオなどの雑草がつきものだが、カルチを導入してからは除草剤だけに頼らず、機械除草と組み合わせる形に変わってきた。 「まだ完璧ではないですけど、機械と組み合わせて、除草剤を減らしていく感じですね」


技術より先に、コスパを見る

新しい機能への関心は高いが、木村さんの判断軸は終始一貫している。

「どこまでいってもコスパでしょう」


自動化で浮いた人手や時間を、より高単価な作業に回せるかどうか。それが、木村さんにとっての技術導入の本当の意味だ。 「自動操舵みたいなスマート農業製品を導入していくなら、もっと人員を削れると思うんです。その空いた分で高単価なものがやれる」


よりスマートな散布管理への展望

その視点は、ブームスプレーヤーの話にも表れる。ブームの伸び縮みやセクション制御で重複を減らすことができれば、農薬代に直接効いてくると見ている。 「今後、重複散布を減らせるような製品が出るなら、たぶん機械投資は目に見えてすぐペイできますよ」


もう一つ関心を寄せるのが、食害や病害虫が出た場所だけを防除するスポット防除だ。 「今は全面散布しているけど、本当は食害が多いところだけ散布できればいいんですよね」 全面散布ではなく効率的なスポット散布ができれば、農薬代の削減に直結する。


加えて、散布の記録を残すことができればより良いという。和泉営農組合の周辺には野菜農家や花卉農家も多く、害虫の発生源が田んぼだと疑われることも珍しくない。そんな時、圃場の防除の記録が意味を持つのだそうだ。 「ちゃんと写真で確認して、防除が必要な場所を、いつ、どんな薬剤を散布したのか共有できるのは大きいですよ」


現場を見てから作ってほしい

FJDのようなスマート農業機器メーカーに対して木村さんが求めるのは、完成品を持ってくることではなく、開発の途中から現場の声を聞くことだ。 「要望を言って通りそうなら言いたいんです。できちゃってから、『これどうですか』って言われても、これ違うって言いたくないんですよ」


自動操舵も、可変施肥も、スポット防除も、木村さんが技術に求めているのは、仕様上の性能ではなく、自分たちの圃場で実際に使えるかどうかだ。


まとめ

和泉営農組合さまの取り組みは、精密農業技術が従来の直進作業や作業精度の向上だけでなく、圃場管理全体に新たな価値をもたらすことを示しています。これまで人の手で行っていた測量や位置合わせを、GPSを活用した自動操舵技術へ置き換えることで、明渠施工の精度向上や安定した栽培管理を実現。さらに、大規模営農における作業負担の軽減にも貢献しています。


農業がよりスマートで効率的な作業体系へ進化していく中、実際の現場ニーズを起点に開発されたソリューションは、持続可能な農業システムの構築において、ますます重要な役割を果たしていきます。FJDの精密農業ソリューションは、圃場作業の精度向上、作業負担の軽減、そしてより効率的な農業経営をサポートします。



日本 | 巻き尺とスプレーで引いていた線を、GPSに任せる
cheerio.chen 2026年8月3日
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